徹底解剖! 夢とロマンのDK20年史

<はじめに>
1990年代、アメリカ西海岸のスケーターたちに支持され、逆輸入の形で日本でも大ヒットとなったG-SHOCK。1997年には、過去最高となる600万個の出荷を達成し、その名を世間に知らしめました。その後、出荷数は一度落ち込むものの、10年ほど前から再度注目を集めるように。現在では性別問わず、幅広い年代から愛されています。

今回はそんなG-SHOCKを、20年前から愛用してきた男子高校生(以下DK)に注目。この20年間、DKがどのように変化してきたのかを、G-SHOCKと共に振り返ります。

1、【う、懐かしい…】4世代別とあるDKの私生活

まずは20年間をザクッと4分割。その時代を生きる架空のDK4人を設定し、趣味趣向、生活を描きます。

【97〜01年】「バーカ、俺が守るよ」キムタク量産ゴリフェロ(ゴリゴリフェロモン)時代

「バーカ、俺が守るよ」キムタク量産ゴリフェロ(ゴリゴリフェロモン)時代

センター分けのパサパサロン毛から覗く黒光りする肌。彼はヨウヘイ。都内の高校に通うめちゃモテスーパー高校生(読モ)。憧れは言わずもがなキムタク。特技はスキー、スノボ、サーフィン。今の彼女とは渋谷で開催したカラオケ合コンで知り合った。アムロ風のキュートな顔に一目惚れし、即メアド交換。毎日メールでアピって、晴れて付き合うことに。告白は電話。今でも1日に何度も電話をする。学校が違うケド、いつでも近くに感じてたいからね。

めちゃモテだからって、浮気なんて(ほぼ)しないのがヨウヘイスタイル。彼女がクリスマスにくれた香水(カルバンクライン エタニティ フォーメン)を毎朝3プッシュ。誕生日にくれたクロムハーツのチョーカーをつけてれば、もう彼女のことしか考えらんない彼女の誕生日にはイニシャル入りのペアリングを買ってやりたいから絶賛バイト中。でもダチよりは黒くしたいから、日サロも減らせない。ホント、高校生って楽じゃないね。

【02〜06年】「仲間と恋と体育祭☆」アゲ↑↑重視の青春至高時代

【02〜06年】「仲間と恋と体育祭☆」アゲ↑↑重視の青春至高時代

盛られた頭頂部に、流れるような襟足。彼はカズヤ。クラスで人気のお調子者キャラ。部活は帰宅部で、趣味はカラオケ、ゲーセン、ボウリング。男女問わず友達が多く、一日のメール数は120通くらいカナ。そのうち半分以上は彼女と♡記念日とかにくれるメールは毎回保護って授業中に読み直しちゃうワラ。記念日はわりと大事にするほうワラ。

制服はだらっとさせないとイケてないから、極限まで腰パン。パンツ見えてるのは全っ然問題ない。むしろ見せてる。パンツはディズニーとかキャラものが多いカナ。シャツのボタンは第3まで開けたいトコロ。制服に着崩されてないところがあると不安になっちゃうワラ。授業中は前髪をピンでとめて、黒縁メガネかけるのがギャップ萌えってコトで☆今1番欲しいのはiPod。モンパチ、ケツメが鉄板最高だケド、最近はHOME MADE家族もアツいっす。好きなコンビニはam/pmっしょ!

【07〜11年】「つーか、語りたくね?」男絡みが基本のチャラ爽やか時代

【07〜11年】「つーか、語りたくね?」男絡みが基本のチャラ爽やか時代

クシュっとボリュームヘアにパンパンのスポーツエナメルバッグ。彼はショウタ。サッカー部に所属する高校1年生。朝練から放課後まで常に部活仲間と行動する。

彼女は同じクラスのちょいメンヘラ女子だけど、何かある度にすぐ病んでCROOZ blogにぐちぐち書いたりするのが、ちょっとうざい。付き合ってすぐショッキングピンクのウィルコムを一緒に購入したけど、朝練あるし、部活のあとはマックで友達と語ってるし、あんまコムする時間とかないんだよね。あと、彼女が西野カナとか君に届けとか紅茶花伝とかなんでもかんでも好きなもの共有してくんのがだるい。自分がエンジェルハート使ってるからって、誕プレはライオンハートだったし。ショウタの推しはもっぱらRADWINPSとなし水。ワックス、ナカノ使うから香水はべつにいらないんだよね。だからライオンハート友達にあげちゃったw。そのせいでまた彼女病んでてさー。もーめんどう。自然消滅狙い。

【12〜17年】「不良って昭和ですか?」清く正しく僕らしく時代

【12〜17年】「不良って昭和ですか?」清く正しく僕らしく時代

甘いマスクに濃い眉毛、韓流ボリュームヘア。彼はレン。都立高に通う高校生。好きなものはラーメン、コーヒー、ストリートブランド。同じ学年の彼女とはおしゃれカフェに行く週末デートが定番。スマホで自撮りもするし、写ルンです撮影も忘れない。もちろんファストフード、ファミレスも行くけどさ、普通に美味しい方がいいよね?

制服は普通に着るのが普通w。ゆるく見せたい時はお気に入りのスウェットとかスニーカーをONしてイメージチェンジ。腰パンって何? パンチのことですか?ww 私服も基本はスウェット×ジーンズとか。彼女にバースデープレゼント何がいい? って聞かれてスウェットをお願いしたら、欲しかったスウェットと一緒に手作りのプレゼントボックスを作ってくれて、実際そっちの方が嬉しかったかも。彼女の誕生日には彼女がいま欲しがってるスニーカーをあげる予定だけど、自分で編集した動画も一緒に送ろうかな。

2、【俺の彼女が世界一♡】DKのリアル恋愛事情

【俺の彼女が世界一♡】DKのリアル恋愛事情

服や髪型に大きな変化があったこの20年間。ファッションスタイルが変われば中身もかわってトーゼン! この章ではDKたちの恋愛事情に注目。4時代に分けて、その実態を探ります。

【97〜01年】俺とお前は運命 ロマンチックラブ時代

この頃の高校生たちはとにかくイケイケ。不況、就職難に悩む大人世代を尻目に、クラブでの夜遊び、カラオケコンパを頻繁に行うなど、とにかく遊んでいました。愛の告白は普及し始めたばかりの携帯電話を使うのが普通。デートは渋谷、カラオケも人気でしたが、お互いの家に行くこともとても多かったようです。

また、99年のとあるティーン雑誌に興味深いアンケートが…。「今付き合っている相手以上に好みの人が現れたら?」という質問への回答で最も多かったのは男女ともに「現れない」でした。カップルがお互いのことを「運命」だと信じている風潮はこの後徐々に薄れていきます。

【02〜06年】マックのクーポン必須! デート割り勘化

この頃、男女ともに服装がチャラチャラしてくる高校生。デートで特徴的な出来事はDKがデート代を奢らなくなってくることです。前述の調査で一回のデート代平均額はDK4065円、JK2260円となっていましたが、06年には割り勘派が60パーセント超え。平均額は3104円と男女の真ん中に治りました。デートで行くマックやガストではケータイクーポンを使うのが当たり前。クーポンを使わない方が「わかってない」の烙印を押されるように。前時代のような羽振りの良さはすっかりなくなります。
またプリクラはこれまでの「記念撮影」的なものから、背景や落書き機能が充実し、「娯楽」的なものに。チュープリがカップルの超定番撮影方法になったのもこの頃です。

【07〜11年】DK草食化 お風呂の時間、スキンケア割合も上昇

この頃、特徴的なのはやはりDKの草食化です。02年のティーン誌に「友達の彼女を好きなっちゃったら?」という質問がありましたが、回答第1位は「奪う」でした(なんと鮮やか…)。しかし、08年、同雑誌の類似調査で、「好きな子に彼氏がいたら?」という質問への回答は「諦める」が堂々の1位に。「友達」という制限がなくなったにも関わらず、「奪う」はもちろん「別れそうなら待つ」という回答すら少数派でした。好きになったら突き進む…というような盲目的な恋愛スタイルは徐々に収まり、相手の状況やタイミングを見るようになります。

また、恋愛と直接の関係はなくとも身だしなみに時間がかかるようになってくるのもこの頃。06年、髪のセット時間は平均7分という調査結果がありますが、08年には平均12分に。同じくお風呂の時間も伸びているほか、スキンケアをする人の割合、制汗剤、リップクリーム使用者の割合も伸びていました。

【12〜17年】SNS第活用 恋愛はどんどんオープンに

この時代の大きな変化はやはりSNS周り。彼女との2ショット写真をアイコンに設定したり、カップルで撮影する「カップル動画」を撮影して公開することがかなり一般的に行われるようになります。さらに、動画アプリ「ミックスチャンネル」を始め、カップルが1つのアカウントを運営する「共同アカウント」や、記念日などを共有できるカップル専用アプリの流行も見逃せません。記念日にはツイッター、インスタグラムに2人の写真を投稿すると、通常よりも多くの「いいね」が集まるという風潮も。

こうしたオープンな恋愛スタイルを先導しているのはどちらかというとJKで、「彼女がやりたがるからやる」という声が一般的ではありますが、それに応えるDKが増えていることが大きな変化と言えるでしょう。

<まとめ>
JKよりも流行に疎く、DC(男子中学生)よりも自由な場を得ながら、DD(男子大学生)よりもお金も余裕もないDKの生き様にはなんだか少し、もどかしさがあります。恋するJKを追いかけ、部活や遊びに全力を注ぎ、時代を忙しく生き抜くDKのお供には、タフなG-SHOCKがぴったりなのかもしれません。

(執筆:伊藤紺 イラスト:ery)


ery

Illustrator/Designer

企画制作ユニット「NEW DUGONG」。1994年生まれ。東京都在住。イラストやコラージュ、グラフィックデザインを中心に、ZINE、グッズ、展示と活動の幅を広げ中。主にinstagram でイラストなどを公開。好きなものはローラースケート。
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伊藤紺(itokon)

Writer/Editor/歌人

企画制作ユニット「NEW DUGONG」。1993年生まれ。東京在住。調査記事、取材記事、エッセイ、短歌など書きます。興味事はJKからAIまで。すきなものはジュゴンとワニ。最近、文化・芸術薫る杉並区に引っ越しました。やな奴になってたら教えてください。
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◇企画制作ユニット「NEW DUGONG」(ニュージュゴン)
記事、リトルプレスの企画制作を中心に、トークイベントや自主制作ラジオも行う。
Fashionsnapにて連載中。

Presented by :
株式会社おくりバント(http://www.okuribunt.com/
Director もりみ